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パソコンは便利な道具である。文書作成は容易になったし、ポスターなども作れてしまう。インタ ーネットは情報収集に威力を発揮し、電子メールは僅かな時間で知人数人に手紙を書き送ることを可 能にする。筆不精の私にとって、こんなありがたい通信手段はない。
その便利なパソコンも、時々ぞっとすることがある。ウィルスメールが送られて来たり、巨額の国 際電話料金が請求されたという話を聞いたりするときである。ハッカーに侵入されて、パソコンが勝 手に国際電話をかけたり、自分のパスワードやパソコン内に蓄積した情報を外部に送信したりしてし まう恐れがあるのである。
たかがパソコンにウィルスが取りつくだけのことである。最悪の場合、取りつかれたパソコンを廃 棄して、新しい物に買い換えさえすればよいのである。自分が病院に通わなければいけないわけでは なく、当然痛くも痒くもない。自分の道具に起こった不具合に過ぎない。
けれども、極めて便利な道具なだけに、そこには、数々のプライベートな情報が格納されているの である。その情報が漏洩しているかもしれないと思うと、人格そのものが侵されているような、場合 に依ったら健康を損なう以上のダメージを受けているような、おぞましい気がするのである。
パソコンは大変便利であるが、外部の機械に過ぎない。外部の機械となれば、壊れることも盗まれ ることも、壊されることもある。だからそうなったときに、余りパニックにならないように、日頃か ら多くを依存しすぎないようにしたほうがよい。本当に大事な情報はパソコンに入れておかないほう がよい。あるいは、大事な情報が入っているパソコンは、絶対に回線でつないだりしないほうがよ い。絶えず、セキュリティと便利さを秤にかけて、用途を限って利用すべきである。
以上は、私に限らず、パソコンを利用している者が普通に辿りつく心得であろう。大事な情報は ネットに載せないほうがよい。デジタル化さえしないほうがよい。
それがどうしたことか、8月5日から住民基本台帳ネットが始まるという。住民に番号が付され、 生年月日、住所等の市町村が持つ個人情報が全国ネットされるという。メリットは何かといえば、全 国どこの市町村でも、住民票が取れるとのこと。いらぬ便利さである。
一方で、個人情報の管理、漏洩の脅威は計り知れない。
熱弁をふるっている総務大臣は、まるっきりのおバカさんと見える。また、その準備に明け暮れて いる役所、役場の職員も、よくも無責任に黙々と仕事ができるものである。一度作って盗まれたら、 誰にどのように悪用されるか知れたものではないではないか。
議論を重ね、用途を限り、万全の準備ができるまでは、絶対にやってはいけないことである。
この国には、失政の責任を明らかにして、その責任をとるという習慣がない。道路やダムなどの公 共事業もそうであるが、国民に損害をもたらすことがとてもやり易い国である。(冗談ではない。そ んなことをやっている暇はあろうはずがないではないか!)
[TEXT:高橋秀樹(個性を伸ばす教育研究室・伸び伸び塾)]
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